
アウンティンさんに聞いたロヒンギャの現状は、インターネットでは知ることができない過酷なものだった。民族や宗教の違いから家を焼かれたり命まで奪われるなどの迫害を受け、難民キャンプの子どもたちも不自由な生活を強いられている…。「同じ人間なのにどうして?」聡真さんたちは深い悲しみとともに強い憤りを感じた。その一方で、アウンティンさんからの「ひどい状況だけれども、教育とスポーツがあれば子どもたちは救われる」という言葉に希望を感じ、「力になりたい!」という想いを強くした。
そしてこのとき、館林に暮らすロヒンギャの人たちが、街に溶け込むため人知れず清掃活動などを行ってきたことを聞いた4人は、尊敬の気持ちからも支援への想いを募らせた。
アウンティンさんから、裸足でボロボロのボールを蹴る子どもたちの写真などを見せてもらい、4人は文房具やサッカーボールを贈ることを思いついた。しかし、コロナ禍のため街頭に立つ募金活動などは難しい。そんなとき「イギリスの100歳の男性が、インターネットで寄付を募り44億円を集めて医療従事者を支援した」という新聞記事を見つけ、「これなら、僕たちにもできるかもしれない」と期待がふくらんでいった。