
「飛んでけ!車いす」の会のスタッフも、発足当初は学生が中心だったが、旅行者と同じようにシニアが担い手となった。吉田さんは「それぞれが、語学力や機械整備、縫製など得意な技術を生かし、一人ひとりの小さな力が集まって会が支えられています。活動が続いている原動力もそこにあります」と話す。この20年で世界80カ国以上に届けられた車いすは、2900台を超えている。
車いすを受け取った人からは、「自分でやれることが広がりました」「私の人生を変えてくれました」「車いすに乗ってどこでも行くことができます。感謝しています」など、数え切れない喜びの言葉が寄せられている。ボランティアの旅行者からも、「今までの人生で最も素晴らしい体験」「人生観が変わりました」など、感動の声が届けられている。
受け取った人の笑顔の写真を見るのが、一番うれしい瞬間だと話す吉田さん。「大事なのは単にモノを送るのではなく、『あなたのための車いす』を、気持ちを込めて直接手から手に渡していることなんです」。これからも、心の込もった車いすが、必要としている人のため世界中へ飛んで行く。