
苗木の贈呈が55年の節目を迎えた2017年、後閑小学校と同校PTAから清水さんに感謝状が贈られた。「人は褒められ、認められて育っていく」と常々話す清水さんにとって、地域からの感謝の言葉は大きな力になったことだろう。
小学校や地域とのつながりは、苗木の贈呈にとどまらない。地域の仲間と一緒にサツマイモの植え付けから収穫までを小学校で指導する「畑の先生」としても、子どもたちから慕われている。毎年、清水さんたちは校庭の一角に設けた畑で児童とともにサツマイモの苗を植え、その後も畑の見回りや育て方の指導を行い、秋のサツマイモ掘りから収穫祭まで労を惜しまず協力している。
56年前のあの日、掲子さんの入学祝いに植えたスモモは、清水さんの家族やふるさとを見守るように大きく育ち、春がくるたび白く美しい花を咲かせる。そしてそんな木々が、毎年増え続けているのだ。
いつしか苗木の贈呈が生きがいになったという清水さんは、「生あるかぎり続けて、子どもたちのためはもとより、皆さまのご期待にお応えしたい」と熱い想いを語る。