
臨時教員として子どもたちの前に立つなかで、自分にはあまりにも経験が少ないと感じるようになった白石さん。そこで、まず自分の目で見た世界を自分の言葉で伝えようと、教員の職を辞してフィリピンに渡り、ストリートチルドレンの支援活動に参加した。
現地の子どもたちの力強さや輝く笑顔を見ながら、「教育の形はもっと自由でいい」と実感して帰国。さまざまな困難を抱える子どもたちを支援するため、チラシに自分の想いを綴って市内7000軒を訪問し、11人の賛同者を得た。そして、2007年5月、NPO法人「With優」を立ち上げフリースクールを開設したのである。
学校に行けない子ども、または行かないことを選択した子どもたちのため、たった一人の生徒からスタートしたフリースクール。やがて口コミで生徒が増え、半年で5人になった。「自分の生活もありましたので、朝と夜は魚市場などで働きながらでしたが、そんな姿を見せることも教育になると考えました」。そうして自分が働いた職場にフリースクールの生徒を雇用してもらうこともあったという。