
高山さんは、「より現地に即した活動に取り組みたい」とJMASを退任し、2011年7月、郷里である愛媛県の支援者と共にNPO法人「IMCCD(国際地雷処理・地域復興支援の会)」を設立し、取り組みを進展させている。
JMAS在任中とIMCCD設立後の活動を合わせ、処理した地雷・不発弾は4000個を超え、学校を9校建設、井戸を138基掘削、道路整備を3.5km、日本企業誘致を5社、さらに芋焼酎などの地場産業育成や日本への留学支援など幅広い活動に成果を上げている(2015年2月末現在)。
高山さんに対するカンボジアの政府機関や州政府からの信頼も厚く、地雷処理技術顧問や復興担当顧問に任命されている。
住民から「ター」と呼ばれ、村の大人から子供まで慕われている高山さん。「ター」は「おじいさん」という意味で最初は抵抗もあったが、すっかり定着してしまった。1年の3分の2をカンボジアで活動する高山さんは、戦争のない世界をつくるという最終目標に向け、住人と一緒に暮らし、同じ悩みに取り組むという現場第一主義を貫きながら、「平和の種になりたい」と今日も活動を続けている。