
瀬波温泉海水浴場の監視所には、本間さん直筆の教訓、「鋭敏なる感覚」「適切な判断」「迅速な行動」の3つが掲げられている。「この三原則を確実に実行できるよう、隊員の皆に読んでもらっているんです」。こうして本間さんが育てた隊員は120人を超え、救急救命士になった教え子もいる。
なかには女性の隊員もいて、「泳がせてみたら男の隊員より泳ぎが上手なのです。これなら大丈夫だと思い隊員にしました。現在は消防署員になっています」と、うれしそうに話す。海水浴客の多い週末には、遠く千葉県や愛知県などからも教え子が応援に駆けつけてくれるそうだ。
監視員になって41年、本間さんは1日も欠かさず「監視日誌」を付け、天候から潮の流れ、水温、発生した事故まですべて記録している。どんな日に事故が起きたか、ひと目で分かる監視所の財産だ。
シーズン中は、隊員より1時間も早く監視所に来て、その日の準備を行っているという本間さん。「やはり、それが隊長の役目だと思っているのです」と話す。