
吉田さんが、50年以上活動を続けることができた一番の支えは奥さまの文子さんだ。「たった一人なので話をする仲間もいませんが、帰ってくれば妻がご苦労さまといって出迎え、その日の辛かったことやうれしかったことを頷きながら聞いてくれます。それだけで気持ちが和らぎます。やはり妻の理解と支えがなければ続けてこられなかったでしょうね」そう話す吉田さん。
活動をずっと続けるなかで、乱暴なドライバーなど、その日の嫌なことを話すときにも、「好きでやっていることだから頑張りましょうよ」と文子さんが励ましてきたそうだ。「やはり夫婦ですね」と、吉田さんは奥さまの支えを振り返る。
表彰式の後、受賞の感想を聞かれた文子さんは、「最初に連絡を受けたときは、こんなに素晴らしい賞だとは知らなかったのですが、お話をお聞きして本当に私たちが頂いていいのかしらと思いました」としきりに謙遜した。交通量の多い交差点に毎朝立つご主人への心配も多いはずだが、文子さんは「もう慣れましたね」と優しい笑顔を見せる。