
活動を始めた08年、岩手ホスピスの会は県内外からの希望者6,000人に、型紙にボランティアやメンバーが制作した帽子のサンプルを添えて送った。実費として、送料込み1,000円をもらう。さらに活動は広まり、2011年5月までで1万8,000個に達した。「全国から寄贈されることもあり、枚数に余力が生まれたので、各地の希望する病院に50から100個、まとめて贈ることもできるようになりました」と吉島さん。つれて岩手ホスピスの会のメンバーも増えている。「活動の詳細を知りたい、情報を欲しいという県内外の方が賛助的に入会され、現在、県内・県外それぞれ600人という会員数になっています」
「肌触りもよく、汚れたら洗濯もでき、とても使いやすいものが手に入り喜んでいます」「冬の寒さを忘れる暖かい帽子をお送りいただき感謝感謝です」……ホスピスの会には、連日、全国からこうしたお礼の手紙が相次ぐ。
一度は死に直面したことのある人間が持つ強さ。吉島さんはそれをばねに、今日もタオル帽子頒布活動を、ホスピス推進活動を、強力に引っ張っている。