
忙しく立ち働く仲間の間を動き回っていた彼女が瞬間立ち止まり、声を張り上げた。
「明日、(震災で壊滅状態になった)陸前高田へ行って、患者さんにタオル帽子を届けます。ご一緒できる方、是非来てください。被災者の中には、街中がとても埃っぽいのでこんな帽子があると大変重宝しますと言う方もおられます。その人たちにも配りたい。また避難所には、まだまだ必要なものが届いていません。お宅で余っているもの、調味料でも生卵でもいいです、お持ち下さい。なぜ私たちがそうした活動をするのかという方もおられるかもしれません。だけど地元の人間が救援活動をやらないで誰がやるんでしょう。それに私は、避難されている方が余裕を取り戻された時、近くの病院にタオル帽子を贈られるようになると思うんです」
すでに、この時点で吉島さんの陸前高田行きは5回を数える。そのうえ週1回は必ず盛岡にやってきて、ホスピスの会の会合やセミナー、イベント、あるいはタオル帽子配布活動に出席、事務局長としての役割を果たす。ともかく超多忙。よく体が続くものだと心配になるほどだ。