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シチズン・オブ・ザ・イヤー選考委員長
山根基世さん
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2017年度受賞
角居勝彦さん
馬を救うことが自分のエネルギーに
- 山根
- 厩舎での人づくりでも、引退馬を支援するホースコミュニティの活動も、角居さんは近代的、合理的な仕組みを作ることから始めておられるのにも感銘を受けました。だからこそ、賛同者も増えるし、ネットワークも広がるのでしょう。
- 角居
- ネットワークの広がりには、馬がいる限り僕もここにいる、という状況も大きいのかもしれません。「栗東の厩舎に行けば角居に会える」ということで、さまざまな取り組みをしている方が会いに来てくれます。それが人から人へのつながりとなって、乗馬クラブやNPO、大学、企業などと多様な連携が生まれています。
- 山根
- ホースコミュニティの活動は、引退馬のセカンドキャリア支援が中心ですが、今後は馬を介したコミュニティづくりに取り組みたいとおっしゃっていますね。
- 角居
- 最終的には、高齢者から子どもたちまで、皆の身近に馬がいて誰もが楽しめるコミュニティを作りたいというのが目標です。

- 山根
- 今、北海道で新しい試みを進められているとお聞きしましたが、その一環ですか。
- 角居
- 浦河町という所で、障がい者乗馬の団体が精神科のお医者さんと共同で、障がい者乗馬用の馬を育成する計画を進めています。そこでは、乗馬用の馬のしつけも、障がいのある方自身が行うというものです。
- 山根
- それは皆さんの就労支援にもなりますし、角居さんの夢はまだまだ膨らみますね。
- 角居
- 今、JRAにも賛同をいただいて、馬主の方や騎手、調教師、そして馬の生産に携わる方も、皆がつながってこの活動に取り組もうとしています。競馬の世界は成績を上げれば次はさらに良い成績を期待されプレッシャーも多いのですが、この活動を通して馬と触れ合った皆さんの笑顔を見ると、また頑張ろうというエネルギーをもらえるんです。
- 山根
- 馬を救うことが、角居さんご自身を救うことにもなっているんですね。本日はありがとうございました。
(敬称略)

