
そうした中、将来は社会に貢献したいという気持ちを持ち始めた平井さんは勉強に打ち込み、2015年、給付型の奨学金を得て大阪府立大学(現 大阪公立大学)に進学。入学直後から、自分と同じような境遇で苦労している子どもたちのため何かできることをしたいと考え、経済的に苦しい中高生の学習支援を行うNPO法人「あっとすくーる」に参加。そこでは、先輩の学生らが熱意を持って学習支援に取り組んでいた。常にどうすれば相手の人生を少しでも良くできるのかを考えて活動している姿にあこがれた平井さんは、活動にのめり込むようになった。
もちろん、それだけではない。学生時代にしかできないことにも挑戦しようと、「夏休みや春休みを利用して国内だけでなくタイやベトナムといった東南アジアをバックパッカーやヒッチハイクで回り、多様な人々の生き方を知って価値観を広げることができました。現在ともに活動する仲間の一人と出会ったのもこのときです」と話す。
入学時から参加したNPOの活動は3年生まで続け、「それぞれに困難を抱える中高生の学習をサポートするとともに、一人一人の子どもにどう対応するかしっかり考えて行動することを学びました」と振り返る。
さらに、大学内に子どもの貧困問題が専門の山野則子教授の講義があることを知り学科を越えて受講。教育がいかに重要かを学び、「教授のシンポジウムにも参加して知見を広げることができ、その後の活動に大きくつながっています」と話す。