
「希望宣言」の発表から5年。2023年6月に成立し翌年1月1日に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」には、JDWGの皆さんの意思がしっかりと反映されました。従来のような認知症の「予防」や「対策」に重点を置くのではなく、「共生」の視点に重きを置くことを基本理念とする法律となったのです。
また、当事者自らが声を上げ、前向きに生きる姿を示し続けてきたことで、認知症に対する社会や人々の偏見や誤解も、徐々に変わり始めていると皆さんは話します。そうしたなかには、自らの認知症を公表したときに理解を得られなかった相手との「出会い直し」もあり、いまは一緒に地域の活動に参加するようになった相手から、「認知症になってもあなたが何も変わっていないことに気づき、私自身が認知症に偏見を持っていた自分と向き合う機会になりました」という声を聞くこともあるそうです。
昨年、設立から10年を迎えたJDWGは東京で記念式典を開催し、オンラインを含めて40人以上の認知症本人と家族やパートナーら410人が集まり、会場は笑顔に包まれました。「ひと足先に認知症になった私たちだからこそ、次に続く人たちのためにできることがある」というJDWGの皆さんが、認知症本人や周りの人たちに大きな力を与えている「希望のリレー」を広げる活動は、これからも続いていきます。