
山崎さんは、「おさかなポスト」の活動に加え、子どもたちを対象にした出前授業や移動水族館、流域のゴミ拾い、水辺の安全教室などにも力を入れている。また、多くの仲間や家族の協力を得て、稚アユを集めて放流する「多摩川春のあゆ祭り」や、ライフジャケットを着て多摩川を泳ぐ体験を水の事故防止に役立てる「夏休み多摩川教室」を10年以上続けている。
これらのイベントでは、川での楽しい遊び方を教えるとともに、川をきれいにするため家でできることや、外来種が生態系に与える影響も一緒に考えてもらっている。さらに、一人で川に行ってはいけないことや、もし川に落ちたらどうすればいいかなど、安全の基本を学ばせている。
今も、200種類以上の外来種が生息する多摩川。山崎さんは、「皆さんが、責任を持って最後まで生き物を飼うことの意味や、自然を守るために何が必要か理解が深まっていけば、『おさかなポスト』もやがて要らなくなるでしょう。そんな日が来るまで、この大切な命のリレーを続けていきます」と熱く語る。