現地の支援者はすぐに依頼に対応してくれ、活動を始めてから7カ月あまり、ついに支援が難民キャンプの子どもたちに届けられたのだ。そして、数日後には現地の子どもたちが満面の笑顔でサッカーや縄跳びをする動画、文房具や毛布を受け取った映像などが、感謝のメッセージとともに届いた。
その様子をパソコンで見た4人からは、「あんなに笑顔になっている!」「みんな楽しんでくれているね。よかった」と、思わず安堵の言葉が出た。聡真さんたちは自分たちの活動が役に立ったことを実感し、心からの喜びと寄付をしてくれた人たちへの感謝を込め、ホームページで第1回目の支援を報告したのである。
ロヒンギャの人たちを取り巻く環境は、難民キャンプの大規模な火災やミャンマーの軍事クーデターなど、依然厳しい状況が続いている。しかし、現状に胸を痛めながらも、「今度は、現地で人身売買などがあることから、子どもたちが自分の身に危険が迫ったとき大人を呼べる笛を送ろうと思います」と、4人の視線はもう次の支援に向けられている。
活動を通し「怒りや仕返しは答えじゃない、大切なのは平和なんだと学びました」という、聡真さん、杏さん、大喜さん、悠喜さん。ロヒンギャの人たちが一日も早く平和に暮らせることを信じ、活動への想いをさらに強くしている。