CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2006年度受賞

桑山 利子さん

スリランカの子どもたちを支え続ける「日本のお母さん」

スリランカの子どもたちを
支え続ける「日本のお母さん」

取材・文:清丸恵三郎

子どもたちの学業を寄付を通して支援

「日本のお母さん」と呼ばれた女優は、過去何人もいる。しかしイメージではなく、実態のともなった、頑張る「日本のお母さん」というのは、多分、この人桑山利子さんのような女性のことを指していうのではなかろうか。

桑山さんは1993年から今日まで、毎年欠かさず、スリランカ(旧セイロン)の子どもたちの進学支援や学校建設のために送金を続けている。総額はすでに500万円を優に超える。現地では1人年間1万2千円ほどで高校へ通えるのだそうだ。それだけではない。2001年からはアフガニスタンの子どもたちを救う活動に、03年からは「国内の困っている子どもたちにも」と考え、あしなが育英会の募金活動にも積極的に協力している。それ以前にも、電気代が払えずローソクの明かりで勉強していて火事を出した横浜の高校生に送金したり、10年前には山手線で線路に転落した人を助けようとして命を落とした韓国人留学生の家族に見舞金を送ったりもしている。

桑山さんとご家族

「人のためになるのが生きたお金」

スーパーを営んでいた当時(本人右)

こう書くとお金持ちの篤志家のように思われるかもしれないが、桑山さんは愛知県安城市に住む、古希を少し超えたごく普通の、元気でかわいいおばあちゃんである。母親から譲られた自宅そばの土地を工場に貸し、ご主人と二人でつつましく生活している。お金が有り余っていて、あちこちに寄付や募金をしているわけでは決してないのだ。また、最近の「伊達直人現象」のように流行にあおられて募金しているわけでもない。

「何ででしょうか。やはり母親の考え方に影響を受けたんでしょうね。母は熱心な三河の真宗門徒で、一円でも無駄な使い方をしたお金は死に金、人のためになるのが生きたお金、といつも言っていました。そんなことで私自身、贅沢したい、いい着物を着たいなどとちっとも思わないんです」

夫・孝一さんと桑山さん
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