5年ほど前から、捨てられた車いすを集めて、パンク直し、さび落し、部品取り替えなどで再生させ、母国の南アフリカに贈り続けている。輸送は年に4回、1回25万円ほどの費用は、自分の詩集の売り上げや募金で賄っているが、最近は車いすの修理や保管などの面での協力者も出てきており、その数は2000台になろうとしている。南アフリカ側の受け入れは3つの大きな団体が受け入れている。同国はアパルトヘイト時代の影響や貧困が原因で障がい者の比率が高く、一人でも多くの人にと活動は続けられている。
1999年度受賞
修理、再生させて母国南アフリカに寄贈した車イス、2000台!
トーマス・カンサさん
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トーマス・カンサ(Thomas C Kantha)さん/1948年(昭和23)生まれ。
南アフリカ共和国出身。1984年来日。英会話教師・詩人。
捨てられている車イスを生まれ変わらせ、年4回到着を待つ母国の人たちに寄贈
表彰理由
一人で活動を始め1台1台積み重ねてきた重み、使い捨てに慣れた日本人への警鐘にも
日本で暮らす中で、十分使える車いすが捨てられている光景に出会い、再生して母国の障がい者に贈る活動をひとりで開始、1台1台の積み重ねが大きな数に及んでいる。同時に、地域住民への車いす修理の指導や、その他のリサイクル活動を続け、使い捨てに慣れてしまった日本人の生活に警鐘を鳴らしている。
受賞コメント
学校の授業やボランティア実習で車いすの修理をやってもらえるようになりました。そこで車いすに乗ってみてもらえれば、スロープの必要性などを自分自身で感じることができます。また、プレゼントするのですから、ただ贈るだけでなく「きれいにしてあげる」という気持ちの大切さも分かってもらえると思います。
これからも「人間同士の助け合いが大切だ」ということを基本に、講演会などで皆さんの気持ちを耕せればと思っています。そうすれば、どんなタネを蒔いてもどんどん育ちますから。