曽我 健太さん
ひざ下から義足ながら、夏の甲子園で奮闘
曽我 健太さん

曽我 健太さん/1985(昭和60)年 愛媛県生まれ。県立今治西高等学校3年生。

  • 2003年度受賞
  • 自己実現

受賞概要

地方大会ではチームトップの打率。夏の甲子園を全力で駆けた義足の内野手

第85回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)2日目の日大東北戦に、義足をつけた愛媛・今治西高の曽我選手が3塁手・6番でフル出場、勝利に貢献した。曽我選手は5歳のとき、ミカン畑で遊んでいてトロッコに挟まれ左足首から先を失い、現在はひざ下から義足。父親とのキャッチボールを通じて野球に興味を持ち、中学ではエースで4番。あこがれの甲子園出場を果たした地方大会5試合では、打率5割7分1厘でチームトップ、50メートルを6秒6で走る。

「義足だから、障がい者だからと遠慮はしない。彼もそれを望んでいる」と宇佐美監督。「野球が好きだから思い切ってやる。同じような境遇の人に何か感じてもらえたらいいけど、そのためにやっているわけではない」と曽我選手。義足を作っている出口雅士さんも左足が義足だが、地方大会で曽我選手が2盗を決めたのを見て「こんなに激しく使っているのか」と改めて驚いたという。

受賞理由

誰かのためではなく野球が好きだからプレーする、好感が持てるひたむきな姿勢

高校野球の頂点である甲子園大会は、健常者でもめったに出場チャンスがないのに、サードでフル出場とは驚き。最初の印象は本当にできるのかという感じだったが、実際のプレーを見て感動した。障がい者だけでなく、普通の人が励まされる。「野球が好きだからやっている」という気負いのない対応も好感が持てる。

受賞コメント

好きな野球をやっていただけなのに、自分が受賞してよいのか、と思いました。でもとてもうれしいです。装具士の出口さんをはじめ、学校、監督、チームメイトといった多くの人たちに支えられたおかげで、3年間野球に打ち込めました。とても感謝しています。

甲子園は素晴らしいところで、これまでで一番伸びのびプレーできました。大学でも野球を続けます。賞金は義足の費用に当てます。