遠藤 マルシア アケミさん
お弁当の配達が縁で、資金難で閉校したブラジル人学校を再開校
遠藤 マルシア アケミさん

遠藤 マルシア アケミさん/1964(昭和39)年 ブラジル・サンパウロ生まれの日系2世。

  • 2003年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

お弁当の配達が縁で、資金難のためやむなく閉校したブラジル人学校を再開校

昨年開校した愛知県小牧市のブラジル人学校「ドン・ボスコ」には、尾張地方全域から約170人が送迎用バス3台で通って来る。6歳〜15歳までの8学年と幼児学級の子供たち。この学校は、同市内にあったブラジル人学校が資金難から閉校になり、何とかしたいという周囲の声にマルシアさんが立ち上がったことで実現した。給食の弁当を学校に配達していた縁で頼られたマルシアさんは、家族の反対もあって1カ月間も悩んだが、最後は「結婚したとき、ふたりは何もなかったのだから」とご主人も理解を示して決断。

校舎は弁当会社の隣にあった建設会社の寮を借りて改修。前の学校のスタッフもほとんど残り、机や椅子などの備品は近くの名古屋芸術大学や新聞報道で知った人達などの善意に助けられた。

受賞理由

ご主人や周囲の人々と助け合いながら学校に行けない子どもたちを救う

日本社会でしなやかに活動する外国の人達が目につくが、マルシアさんもそのひとり。当時の校長さんに依頼され、行くところがなくなってしまう子供たちの窮状を放って置けず、家族を説得、ブラジル政府公認の学校を立ち上げた。ご主人をはじめ、備品を提供した人達、校舎の大家さん、今でも校舎の改修を続けている先生・父兄など彼女を支えた周囲の善意も見逃せない。

今後も増大するであろう入校希望者を受け入れるための施設、授業料だけではまかない切れない運営費など山積する課題を マルシアさんは自然体で乗り切っていく筈である。

受賞コメント

びっくり、とてもうれしい。学校運営を要請されたときは、自分にその力があるのかと大変悩みました。しかし祖国の子供たちの将来のために勉学の機会を失わせてはいけない、という気持ちから引き受けました。日本のブラジル人学校はどこも、行政の援助が無いなかで、頑張っています。とにかく再開のために力を尽くしていただいた方々に感謝したいです。