菅谷 昭さん
チェルノブイリ原発事故の被ばく者の治療に、甲状腺外科医として従事
菅谷 昭さん

菅谷 昭さん/1943(昭和18)年生まれ。長野県出身。長野県衛生部医監。

  • 2001年度受賞
  • 国際貢献

受賞概要

言葉も通じないベラルーシに単身渡り甲状腺外科医として原発事故の被ばく者の治療に従事

1996年、信州大医学部助教授の職を捨て、家族も残して単身でベラルーシに赴任。チェルノブイリ原発事故の後遺症に苦しむ被爆者の治療に、甲状腺外科医として5年余り従事して2001年帰国。現地では言葉も通じない不自由な生活の中で、日々の診療や750回にも及ぶ手術に参画、傍ら現地の若い医師たちに医療技術を伝授した。今後も代表を務めるチェルノブイリ医療基金を通じて被爆者支援や啓蒙活動を続ける。

受賞理由

「苦しむ人々を見過ごせない」と50歳を過ぎて決意。医師としての生き方を貫いた

1986年の原発事故後、たびたび現地を訪れて医療ボランティア活動に当たっていたが、医療水準が低い中で苦しんでいる人たちを見過ごしておけないと50過ぎの身で移住を決意、実行された。赴任中は自身も消化器の潰瘍を患うなど、種々の困難を乗り越えて医師としての生き方を貫いた行為に、「ごくろうさま」という意味で賞を贈りたい。

受賞コメント

大変に光栄です。チェルノブイリの原発事故に関して関心を持っていただき地道な活動へ目を向けてくれて大変にありがたいと感謝します。事故が起きた1986年から15年が過ぎて記憶も風化しつつありますが、現在でも20以上のグループが支援の活動を行っています。今回の賞はこれらの支援活動の仲間にも大変に励みになると思います。

現在は長野県庁に勤務していますが、支援活動はこのまま続けていくつもりです。ありがとうございました。