セイヤー・ミドリさん 与那嶺 政江さん
在日米軍の父と地元女性の間に生まれた子どものために、学校を開設
セイヤー・ミドリさん 与那嶺 政江さん

セイヤー・ミドリ(Midori Mimi Thayer)さん/1960(昭和35)年生まれ。沖縄県出身。薬剤師。
与那嶺 政江(よなみね まさえ)さん/1962(昭和37)年生まれ。沖縄県出身。中学校教諭。

  • 1999年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

言葉や容姿が通学の壁になっている現実の中、仲間たちが力を合わせスクールを開校

アメラジアン(米軍人や軍属などのアメリカンと地元の女性すなわちアジアンとの間に生まれた子供)の母親という立場から、アメラジアンのための学校の開設をめざし、2人を中心とする仲間たちの力で宜野湾市に開校を実現した。市も昨年2学期から、同スクールへの通学を義務教育上の出席と認める決定を行い、現在スクールでは中学生までの約40人が学んでいる。彼女たちが2カ国語教育を行う独自のスクール開校にこだわったのは、父親が軍人でいる間はほとんど負担なしで在学できる基地内の学校は、退役すると高負担を強いられる、一方、公立学校では言葉の壁や容姿ゆえのいじめに合うといった問題に突き当たったことによる。

受賞理由

自分たちの力で開校し行政に風穴を開けた意義、基地問題を考える上でも深い行動

学校の家賃や講師の給料といった経済的な問題も含めて、すべて自分たちの力で自分たちの学校を開設、行政に風穴を開けた。母親たちの行為は、基地問題の存在を認識してもらう意味でも、新しい沖縄を象徴する活動として評価したい。

受賞コメント

父親が退役したために、学校に行けないでいる子供に出会ったとき、大きなショックを受けました。

基地問題という根本的な課題を背景に結果を出すことが難しい状況でした。自分自身が先頭に立たないと解決できないと思って活動し、多くの支援をいただきながら何とかここまで来ることができました。

アメラジアンが、歌手やスポーツの世界だけでなく、明るく前向きに主体性をもって、広く社会で活躍して欲しいと思っています。