岸本 康弘さん/1937(昭和12)年生まれ。兵庫県出身。印刷所経営、詩人。
脳性麻痺による重度障がいのため就学できなかった幼児期は父親から字を学び、8歳の時に父親が他界した後は、通信教育で高校卒業資格を得、大学の通信制を卒業。印刷工場を営みながら詩を書くという生活を送っていた。94年秋にネパールを訪ねたおり、時計さえ読めない少女などに出会い衝撃を受ける。この国での識字教育に役立ちたいと決意。
97年5月に同国ポカラに3階建ての学舎を建設、授業料無料で、いま130人が学ぶ。
先生4人分の給料、運営費などすべてを自分の貯金とボランティア基金でまかなう。この試みに賛同する人も増え、学舎の隣に運動場を作る計画が「一坪運動」として進行中。
学校で学ぶことができなかった自らの経験から、ネパールでの識字教育の必要性を痛感。校舎造りからはじめて現地の子供たちの教育に打ち込む生き方は、重度障がい者というハンデを全く感じさせない行為で、大きな成果を生むに違いない。
現在も半年はネパールに行って学校の運営に携わっています。貧しくても是非勉強してもらいたいので、少しでも手助けしてあげられたらと思います。賞金は学校の運営に使わせていただきます。ちょうど資金切れの状態で悩んでいたところで、これで1年は長続きさせることができます。