高澤 圭介・ナミ子ご夫妻
私財を投じてお年寄りや障がい者が気軽に立ち寄れる家を完成
高澤 圭介・ナミ子ご夫妻

高澤 圭介さん/1928(昭和3)年生まれ。東京都出身。元信用組合常務理事。
高澤 ナミ子さん/1935(昭和10)年生まれ。神奈川県出身。元小学校養護教諭。

  • 1997年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

自宅の庭に誰もが集える家を自費で建設、障がい者のための幅広い活動も実践

夫妻は12年前から近所の愛犬家仲間と老人ホームの慰問を開始。94年に圭介さんが退職したのを機にナミ子さんも仕事を辞め、「違った障がいを持つ人たちが集う場所がほしい」という声に応えて、同年から月1回自宅を提供してきた。しかし、玄関などの段差が障がい者に適さないことから、1年後、庭先にお年寄りや障がい者が気軽に立ち寄れる家を建てることを決断、2人の蓄えと退職金など2,500万円を投入して、97年夏に見事に完成させた。「巡(じゅん)の家」と名付けられ、1階は手話講習会やミニコンサート、居酒屋などに使い、2階はボランティアグループの事務所に充てている。

この間「盲人安全歩行研究所」を自宅に設立、ブロックの改善と規格の統一を訴えて全国を講演で飛び回っている。

受賞理由

夫妻の手で家を完成させた熱意や、社会に貢献しながら自己実現する素晴らしさ

行政に頼らず、資金も含めて夫妻だけの手で、お年寄りや子供達、障がい者が同居できる家を完成させた。いかにも下町らしい気軽な施設で、社会との触れ合いをを通じて自分たちの老後も楽しく過ごすという、すばらしい自己実現でもある。

受賞コメント

お金より人間関係が大切だと感じています。幸い良い方々に恵まれ、その人間関係が活かせたということで、皆さんがいただいた賞だと思います。同じような施設がたくさんできて欲しいです。