干川 文次さん
絶滅寸前だった高山植物・駒草の保護に尽くし、見事、山一面に復元
干川 文次さん

干川 文次さん/万座温泉で民宿「こまくさ園」を経営されていたが1995年没。

  • 1992年度受賞
  • 環境保護

受賞概要

民宿を営みながら駒草の復元に半生を捧げ、地域ぐるみの活動で大きな成果

絶滅寸前だった高山植物の女王・駒草の復元活動を続けて37年、昨年末に満80歳を機に引退表明。

関東では唯一の自生地、群馬県・本白根山の駒草が、戦後、盗掘によって絶え絶えになっていた折、地元にいる自分がと立ち上がり、挑戦と失敗を繰り返す中で、中学生をはじめとする地域ぐるみの運動にまで発展、見事、山一面に20万株を超える駒草を復元させた。

受賞理由

成果を実らせた長年にわたる地道な努力と、子どもたちにも受け継がれるその精神

環境問題や自然保護が叫ばれている中で、長期間に亘って地道な努力を重ね、しかも成果を得るというケースは少ない。

その意味で、干川さんの行為は壮大な営みであり、ドラマであるといえる。

この「駒草おじさん」の運動が親しまれ、地元の中学生たちに引き継がれているのもほほえましい。