受賞者全員の活動を公開! 受賞者アーカイブ

NPO法人 全国不登校新聞社
不登校に悩む子どもたちに寄り添い、当事者視点で新聞を発行して20年
NPO法人 全国不登校新聞社

NPO法人 全国不登校新聞社
東京都北区

  • 2018年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

不登校に悩む子どもたちに寄り添い、20年にわたり、当事者視点で情報発信を続ける

NPO法人 全国不登校新聞社は、不登校に悩む子どもたちに寄り添った情報を発信する日本で初めての情報・交流紙として、『不登校新聞』を発行し、2018年の5月に創刊20年を迎えた。不登校・ひきこもり当事者、経験者の声を掲載。ひきこもりや社会のあり方について当事者の目線で考え、紙版・WEB版を月2回発行する。

1997年の夏に2学期から学校に行くのをためらったと思われる子どもが自殺した。さらに同日、別の学校で子どもらが「学校が燃えれば学校に行かなくてすむと思った」という理由で学校を放火する事件も起きた。この相次ぐ出来事がきっかけとなり、現代表理事の奥地圭子さんを中心に「学校に行くか死ぬしかないという状況を変えたい」との願いを込めて1998年に創刊された。
編集方針は「当事者視点」で、当事者や経験者の目線による参加型の新聞であることを大切にしている。悩みを持つ当事者自ら取材をすることが、説得力を持つという想いから、常勤スタッフらの他に、北海道から九州まで、10〜30代の不登校経験者や引きこもり当事者約130名が、「子ども若者編集部」としてボランティアで取材の企画・編集に関わっている。現編集長の石井志昂(いしい しこう)さんも不登校経験者で、16歳の頃から「子ども若者編集部」で企画・編集に関わってきた。

活字離れの影響で設立当初は最大6,000部あった発行部数が、2012年には820部まで落ちたことで休刊予告を発表せざるを得ない状況に。しかし、「この活動を辞めてしまうのはあまりにも惜しい」と思ったメンバーは、募金を集め、「WEB版を検討してはどうか」、「雑誌にしてはどうか」などと案を出し合った。その過程で、読者からも「当事者の生の声、生の情報を知りたい」といった沢山の声が寄せられ、こうしたニーズをもとに紙面の見直しを図った。結果として、紙面改定やWEB版の採用が功を奏し、発行を継続できるまでに部数が回復。現在は約3,500部を発行している。

紙面には子ども本人だけでなく、不登校の子どもを持つ母親も登場する。また、自分の憧れの人にインタビューに行く企画を通じて、「その経験が生きる力になった、救われた」という編集部員も多い。インタビュー記事には樹木希林さんや、辻村深月さんをはじめ多数の著名人が登場している。また、これまでに延べ1,000人を超える不登校経験者がインタビュー取材や手記の執筆に関わり、編集部員と読者の双方がさまざまな生き方のヒントを得てきた。

不登校に悩む当事者の生の声を伝える新聞だけに校正にも熱が入る

これまで取材や執筆に関わった不登校経験者は延べ千人を超える

取材の企画や編集には子ども若手編集部のメンバーも参加

インタビュー記事には樹木希林さんをはじめ多くの著名人が協力

受賞理由

当事者が自らの想いを直接伝え、不登校児の心を支え、世の中の見方をも変える

以前、不登校児は世の中から偏見を持たれていたと思う。しかし不登校新聞の20年にわたる地道な努力は、不登校児自身を救うと同時に、世の中の見方も変えたのではないか。何より素晴らしいのは、当事者が自ら企画し編集しているという点。そのことで当事者の気持ちを世の中にしっかり、ストレートに伝えることができている。

受賞コメント

不登校は、その当事者と親にとって、いまだ周囲からの無理解に苦しみ、将来を悲観してしまうものとなっています。本紙は専門家や識者よりも当事者の体験談を集めて「これからをどう生きるか」を発信してきました。一人ひとりの声の裏には、本人が苦しみ悩んできた闘いの歴史があります。今回の受賞は、当事者の苦闘がひとつの実を結んだということであり、本当にうれしいかぎりです。今後も子どもたちが育つ過程に何が必要かを考えながら紙面の充実に励んでまいります。

ページの先頭に戻る