受賞者全員の活動を公開! 受賞者アーカイブ

清水 辰吉さん
子どもたちの成長や花と緑あふれる故郷を願い、苗木を贈り続けて55年
清水 辰吉さん

清水 辰吉(しみず たつきち)さん/1928(昭和3)年生まれ
群馬県在住

  • 2017年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

地元小学校の新入生全員に55年欠かさず入学記念の苗木を贈り続ける

群馬県安中市の元群馬県職員・清水辰吉さん(90歳)は、子どもたちの健やかな成長を願い、55年にわたり毎年、地元小学校の新入生全員に入学記念の苗木を贈り続けている。

活動のきっかけは、長女の掲子(けいこ)さんが、1962年の春、地元の上後閑小学校(現在は閉校)に入学したことだった。清水さんは、娘の健やかな成長を願い、「何か入学の記念になることは出来ないか」と考える。当時、群馬県の林業指導職員として県内の緑化事業に取り組んでいたこともあり、清水さんはスモモやモモ、ブドウの記念植樹を自宅の庭で行った。「卒業記念はよくあったが、入学記念はなかったので、これは他の児童にも喜んでもらえる」と感じた清水さんは、「子どもたちの健やかな成長と、ふるさとを花と緑でいっぱいにしてほしい」との願いから、これを地元小学校の新入生に広げようと思い立つ。
早速、上後閑小学校の了解を得て、1963年の春から新入生に苗木を贈る清水さんの活動はスタートした。その年の新入生は約20人。以来、年によって人数に違いはあるものの、毎年欠かさず新入生に苗木を贈り続けることが清水さんのライフワークとなり、55年で約360人に贈った。
清水さんが用意する苗木は、サクラ、ハナミズキ、キンモクセイ、プラム、ミカン、クリ、カキなど多種にわたる。活動が半世紀以上におよぶため、親子二代や兄弟姉妹で苗木をもらうケースも少なくない。

2010年、それまで順調だった清水さんの活動が途絶えそうになる。上後閑小学校の児童数は1959年をピークに減少を続け、この年、新入生が初めてゼロになってしまった。苗木を贈ることができなくなった清水さんは、「この活動を絶やすわけにはいかない」と、苗木を校庭に植えた。
そして、翌2011年、上後閑小学校はついに閉校となり、後閑小学校に統合される。それからは、後閑小学校の新入生に苗木を贈り、清水さんの活動は続いている。

清水さんの活動の原動力は、人から褒められることだという。苗木をもらった子どもや親から「今年もおいしいクリの実ができたよ」「きれいな花が咲いたよ」と声を掛けられ、自分の活動を褒められる。「人は褒められ、認められて育っていく」というのが清水さんの信条だ。
この活動がスタートしてから56年目を迎える今年4月、後閑小学校は14人の新入生を迎える。清水さんは、その入学式を今から楽しみにしている。

長女・掲子さんの小学校入学の記念に木を植えたのがこの活動のきっかけに

55年間、子どもたちの成長を願い入学式で苗木をプレゼント

兄弟姉妹はもちろん、親子2代で苗木をプレゼントされた人も多くいる

苗木を贈る以外にも、「畑の先生」として地元小学生と交流を深める清水さん

受賞理由

人に善意を贈る活動を、たったひとりで半世紀以上にわたり地道に継続

育っていくものをプレゼントする。そして子どもたちの成長とともに木が育ち、希望が広がっていくという夢のある話である。ひとりで地道にコツコツという行為が55年も続いているとは素晴らしい。善意を贈り続けることが人を感動させる。

受賞コメント

群馬の片田舎でのささやかな私の行為を取り上げて、お褒めと激励をくださったことにお礼を申し上げます。地元小学校新入生の入学を祝い、記念としての苗木贈呈は単なる思い付きで始めたものでありましたが、いまは生きがいのひとつとなっております。これからも生あるかぎり続けて、子どもたちのためはもとより、皆様のご期待にもお応えしたいと思います。

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