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NPO法人 就労ネットうじ みっくすはあつ
硬式野球ボールを修繕・再生する活動で障害者の就労支援にも貢献
特定非営利活動法人 就労ネットうじ みっくすはあつ

特定非営利活動法人 就労ネットうじ みっくすはあつ
京都府宇治市。

  • 2016年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

「エコボール」の活動を全国に広げ、7年間で累計1万5,000個の野球ボールを再生

宇治市の「特定非営利活動法人 就労ネットうじ『みっくすはあつ』」(理事長:西山 治(おさむ)さん)は2009年から、糸が切れて傷んだ硬式野球ボールを修繕し再生させる「エコボール」の活動を行っている。スタートから7年、これまでに再生したボールは累計1万5000個を超えた。さらにこの活動は全国の就労支援施設にも広がり、1年間で2万個近い「エコボール」が生まれている。
糸が切れたボールは、通常はテープを巻いてトスバッティングなどに使った後に破棄されてしまう。これを一つひとつ、縫い直して修繕したのが「エコボール」である。普通のボールと同程度に使え、寿命も3〜4倍延びるので、節約にもつながる。

きっかけを作ったのは、地元・東宇治高校出身の元プロ野球投手(横浜、阪神)・大門和彦(だいもん かずひこ)さん(現会社経営)。2009年の母校訪問時、大門さんは使われなくなった多数の糸の切れたボールを目にする。高校時代、破れたボールを自ら縫っていた大門さんは、「まだ使えるのにもったいない」と感じ、交流のあった「みっくすはあつ」の管理者・小畑 治(おばた おさむ)さんに「修繕が施設の仕事にならないか」と提案。これに施設側が応えたことで実現した。最初は大門さんの母校から預かった20球。このとき、施設のスタッフ全員で考えたネーミングが「エコボール」。すぐに評判となり、京都府内の高校や大学などに利用が広がっていった。
「みっくすはあつ」では、障害のある10〜60代の男女10名が作業に携わる。ほつれた糸を切る、新しい糸で縫い直す、ボールを磨くなどの工程を分担する。1日平均20〜30個を再生している。依頼者は1個あたり50円を支払う仕組みだ。

この活動は、障害者の就労支援の面でも大きく役立つ。「みっくすはあつ」の働きかけや口コミなどで、他の就労支援施設に広がり、2017年1月現在、17都道府県21カ所の施設で行われ、高校120校、大学18校、独立プロリーグ1チーム、リトルシニアチームなど40チームの計179団体が利用(依頼)する全国レベルの活動に発展した。
教育面の効果も大きい。野球部員たちは「バットやグラブなどの道具を大切にして丁寧に手入れするようになった」など、ものの大切さを学ぶ。また、納品の際、野球部員が自発的に障害者と「エコボール」でキャッチボールをする高校もあり、野球部員と障害者の自然なかたちでの交流が生まれている。

専用の糸を使い、一針ずつ縫い目がでこぼこしないようきれいに縫っていく

受賞理由

ものを大切にする心を育みながら、障害者と地域の人々を結びつける

「エコボール」は、野球を通して障害者と地域の人々を結びつける素晴らしい活動である。若い人たちが「ものを大切にする」ことを自覚し、「障害者を思い、ともに生きる」ことの大切さを学ぶ機会になっている。就労支援施設で働く人にとっても、作業が社会に大きく役立っていることで、大きな励みになる。この活動が全国的な規模で広がっている意義は大きい。

受賞コメント

今回の賞は、日々作業に取り組む利用者の皆様をはじめ全国の連携事業所、硬式野球部やチーム、糸の提供をはじめ応援してくださる個人や企業、そんな皆様に支えられて頂けた賞です。
「エコボール」の取り組みは、障害のある人の「働き」につながる事と合わせ、野球部生徒たちの物を大切にする「心」や「人」を育てています。小さな取り組みは少しずつ全国の地域に広がり根付き始めました。この新しいつながりは、どの地域でも可能です。これからも関係者皆様に感謝し、取り組んでいきたいと思います。

受賞者の活動を紹介 ウェブマガジン 受賞者へ贈る“書”
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