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白石 祥和さん
不登校や引きこもりの若者たちに寄り添い、自立や就労の支援に取り組む
白石 祥和さん

白石 祥和(しらいし よしかず)さん/1981(昭和56)年生まれ。
山形県米沢市。

  • 2015年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

全県からフリースクールに若者を受け入れ 一般就労に向けた職業訓練の場も提供

山形県米沢市で、不登校や引きこもりの若者の自立と就労支援に取り組むため、フリースクールを中心に、会員制居酒屋、カフェレストラン、就労支援を行う置賜(おきたま)若者サポートステーションなどを運営する。

白石さんの活動の原点は、大学(山形大学教育学部)卒業時の挫折だった。地元で命に向き合える仕事をしたいと消防士を目指したが、結果は2年連続の不合格。順調な人生が一転、行き場を失い転職を繰り返した。転機は24歳のとき。小学校の臨時教員に採用され、発達障害の子どもと向き合った経験が、フリースクールの構想につながる。その後、フィリピンでストリートチルドレンの支援活動も行い「教育の形は自由でいい」と学ぶ。帰国後、自分の考えをチラシにし、市内7000ヵ所を訪問して賛同者10名を集め、2007年5月、念願のフリースクールを開設。生徒は不登校の女子中学生1名というスタートだった。

フリースクール「With優」は、地元を中心に全県から若者を受け入れ、これまで50人が学んだ。現在、小学生から20歳まで20名が学ぶ。高卒資格取得や大学受験など各自の目標・進度に合わせ、きめ細かい個別学習を行う。さらに、農業体験、職場体験、ボランティア活動、地域イベント参加など、地域との交流活動も積極的に行う。彼らを金銭面からサポートする教育支援基金も2014年に創設した。
学ぶ場を提供できたが、次に問題となるのは就労だった。そこで、置賜若者サポートステーションを開設、就労支援を行うようになった。続いて、一般就労を目指す若者、社会に出たが実社会になじめなかった若者が職業訓練をする場所を提供したい、働くことを通じ地域の人たちとつながる場所を作りたいと、2013年2月に会員制居酒屋「結」をオープン。「失敗してもいい、笑顔で明るくいることが大切」という考えのもと、これまでに30名を受け入れ、現在は7名が接客などのトレーニングを積んでいる。
昨年5月には、子どもから高齢者まで世代を超えて集まる場として、駄菓子屋が併設された寺子屋を開設。「若者たちに『この地域で生きていきたい、守っていきたい』と思ってもらえるような教育、居場所と役割を与え、地域で育てていく」。白石さんの挑戦は続く。

教員の資格を持ったスタッフが一人一人に合わせた指導を行っている

名刺交換のマナー、「報告・連絡・相談」といった入社してすぐに役立つ実践トレーニングも行う

就労を目指す若者が接客を通じてトレーニングを行っている

受賞理由

「失敗してもいい」という考えのもと地域と連携した新たな若者支援を実践

若いうちに失敗しておくことが、後の人生の貴重な財産になる。しかし今、失敗が許されない世の中。そんな空気が人を緊張させ、生きることを苦しくさせる。そんな中、何とかフリースクールを卒業し、就労しようと頑張る若者に「失敗したら戻っておいで」と声をかけて送り出す白石さんの姿勢に、心底、救われる思いがする。不登校やひきこもりは、今の日本が抱える大きな課題。既成の制度では救えない目の前の人たちに、今何が必要かを考え、果敢に新しい仕組み作りにと挑戦する姿は、周囲を勇気づける。

受賞コメント

私たちの活動に光を当てていただき、本当にありがとうございます。2007年の立ち上げ以降、様々な困難を抱えている多くの子ども達・若者と出逢い、地域にないもの・あったら良いものを地域の方の理解と協力の元、共に作ってきました。どんな人にもいつか迎えるであろう人生の最期に、この世に生まれてきて本当に良かったと思って欲しい。この受賞を励みとして更に、社会から孤立している子ども・若者に居場所と役割、出番がある地域づくりを行っていきたいと思います。

受賞者の活動を紹介 ウェブマガジン 受賞者へ贈る“書”
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