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原田 燎太郎さん
過酷な生活を余儀なくされている中国の元ハンセン病患者を支援して10年
原田 燎太郎さん

原田 燎太郎(はらだ りょうたろう)さん/1978(昭和53)年生まれ。
広東省在住。

  • 2014年度受賞
  • 国際貢献

受賞概要

交流を深めながら元ハンセン病患者を支援し生活改善や差別・偏見の解消にも取り組む

かつて中国には、ハンセン病の「隔離村」が全土800ヵ所に設置されていた。1986年に隔離政策は撤廃されたが、元患者の多くは差別を恐れその場所にとどまった。「快復村」と呼び名は変わったが、現在も約600ヵ所が残り、約2万人が暮らしているとされる。
電気・ガス・水道に不自由し、家は古くトイレもない。元患者たちはそうした過酷な環境での生活を余儀なくされている。そんな村々にボランティアの学生を派遣し、道や水道の整備、トイレの設置、家屋の修理などをしながら元患者と交流するワークキャンプ(合宿型ボランティア)を10年も続けている日本人がいる。それが原田燎太郎さんだ。

2002年、早稲田大学3年生の時、ボランティア団体が主催する広東省の快復村でのワークキャンプに参加したのがきっかけとなった。帰国後、就職活動に失敗し将来を思い悩んでいたとき、現地での体験を思い出す。自分でもできることがあると考え、同年11月、広東省潮州市のリンホウ村での活動に参加する。そこで、逆境の中、たくましく生きる元患者たちの力強い生き方に触れ、惹かれた。そして2003年4月、卒業後すぐにリンホウ村に渡った。
当初、ボランティア団体の中国駐在員として同村で活動していたが、地元・中国の大学生の参加が増え、実施場所も7つの村に増えるなど規模が拡大していった。そこで、質の高い活動の維持のために、2004年8月、中国の学生たちと広州市にNPO「家−JIA−」を設立した。

ワークキャンプは、20〜25名の学生ボランティアが1〜2週間「快復村」で共同生活をおくり、インフラ整備や元患者との交流、啓発活動を行う。生活改善だけでなく、ハンセン病に対する差別・偏見を改めていくのも重要な目的である。年間100回程度行われ、これまで、中国華南5省にある快復村61ヵ所で、延べ1万3千人以上の学生ボランティアが活動した。9割は中国の大学生だが、日本の大学生も毎年約50〜100名が参加している(延べ1000人程度)。
原田さんは、快復村が周辺地区と溶け込むことが今後の課題と考え、2013年から周辺地域の小学校でもワークキャンプを行い、小学生やその家族と元患者との交流を図っている。さらに、ハンセン病隔離の歴史を後世に伝えていくため、快復村や元患者についての記録にも力を入れている。

原田さんが師と仰ぐ、元患者の蘇振権(ソウチンクワン)さん

中国の大学生の参加が増え、活動規模も拡大

別れの際、泣く学生も多い

受賞理由

中国の快復村という困難な環境で活動を続け多くの若い世代の参加につなぐ

ハンセン病に対する差別は世界共通。制度上の差別は撤廃されても、意識上の差別・偏見は今なお、なくならない。日本以上に過酷な状況にいる中国の元患者たちに手を差しのべ、日中の学生ボランティアを動員し、彼らを支える。かかわった学生たちは、差別のない社会を実現する人材に育っていく。周到な仕組みを作り上げた情熱と実行力に敬服する。

受賞コメント

受賞のお話を頂いた当初、個人としての受賞に戸惑いがありました。この活動が成り立っているのは、中国のハンセン病快復者、快復村で活動を行う学生ボランティア、それを支える事務局職員の努力があるからです。しかし、様々なフィルターを通して見られる「中国」における彼らの存在を、日本の皆さんと共有する橋渡し役になることができればとお受けすることにしました。この賞を、今は亡き蘇振権(ソウチンクワン)を初めとするハンセン病快復者、ボランティア、そして事務局職員たちに捧げます。

受賞者の活動を紹介 ウェブマガジン受賞者へ贈る“書”
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