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本間 錦一さん
水難救助隊長として40年、海の安全を守る87歳の現役ライフセーバー
本間 錦一さん

本間 錦一(ほんま きんいち)さん/1927(昭和2)年生まれ。
新潟県在住。

  • 2014年度受賞
  • 人命救助

受賞概要

水難救助の豊富な経験と技術で40年にわたり約50人を救助し後進も育成

新潟県村上市の瀬波(せなみ)温泉海水浴場。年間10万人以上の海水浴客が訪れるこの浜で、村上市水難救助隊隊長の本間錦一さんは、毎年7月15日から8月20日までの37日間、87歳という高齢でありながら現役のライフセーバーとして海水浴客の命を見守っている。1975年から40年、豊富な経験に裏打ちされた水難救助技術でこれまでに約50人を救助、うち4人は心肺停止状態を蘇生させた。また、後進の指導も熱心で、120人以上のライフセーバーを育成している。

村上市を流れる三面(みおもて)川や近くの海が遊び場だった本間さんは、子どもの頃から泳ぎが得意で「素潜りのキンちゃん」「越後のカッパ」と呼ばれていた。水難救助に携わるようになったのは1948年、21歳のときに起こった悲しい事故がきっかけだった。三面川で遊んでいた小学生男児の姿が見えなくなり、地元総出で捜索したところ、こんどは捜索にあたっていた青年団団長が行方不明になり2人は水中で発見された。本間さんが団長の遺体を引き揚げると、若い女性が駆け込んできて泣き崩れた。1週間後に結婚を控えていた婚約者だった。その光景を目の当たりにした本間さんは「もうこれ以上、不幸な水難事故を起こさない」と決意する。
以来、水難救助に関わりながら、1956年には仲間とボランティアの水難救助団体「村上潜水クラブ」を設立。まだレスキュー隊が整備されていなかった時代、警察や地域から連絡を受けては現場に駆けつけ、溺者の救助や遺体の収容にあたった。1975年、本間さんは村上市からの依頼で瀬波温泉海水浴場の監視員に抜擢される。地元海岸の地形や海流に詳しく、水難救助の実績も豊富だった本間さんに白羽の矢が立ったのだ。

ライフセーバーを「これほど尊い仕事はない」と言う本間さんは、毎年シーズン前、自身に3つの「試験」を課している。①自宅から瀬波の監視所までの5キロを自転車で16分以内に通勤する、②途中の坂道を息切れせずに登りきる、③30メートル沖合の消波ブロックまで息継ぎなしで泳ぐこと、である。これが出来なくなったら引退する。今年5月で「米寿」を迎える最年長ライフセーバーは、41年目のシーズンに向けてトレーニングに精を出す。

水難事故を契機に仲間と水難救助団体を結成

若い隊員の育成は120人以上にのぼる

冬場も、毎日10キロ以上自転車で走って訓練

受賞理由

高齢にも関わらず体力と健康の維持に努め水難救助の第一線に立ち続ける

40年にわたり、水難救助の第一線で多くの命を救ってきただけでなく、後進の指導にも力を入れ、多くのライフセーバーを育成してこられたことに感動する。また、ご高齢にも関わらず、日々体を鍛え健康を維持されており、その努力にも頭が下がる。高齢化が進む日本の社会で、本間さんのような人が増えて欲しい。

受賞コメント

受賞の知らせを聞き、大変驚いています。1975年以来、「監視員は、人命を救えなければ意味はない」と人命救助に携わるとともに、独自の訓練方法で隊員たちの指導を行ってきました。間もなく米寿を迎え、時の流れの速さを痛感しています。これまでに救助隊を卒業し、社会に巣立っていった若者は120名を超えます。彼らが「人命は地球より重い」を念頭から離さず、「人命の尊さ」を世の中に広めてくれることを切に願います。

受賞者の活動を紹介 ウェブマガジン受賞者へ贈る“書”
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