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笹原 留似子さん
東日本大震災の被災地で、復元納棺のボランティア活動や遺族の心のケアを続ける
笹原 留似子さん

笹原 留似子(ささはら るいこ)さん/1972(昭和47)年生まれ。
岩手県北上市在住。

  • 2011年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

復元納棺師として被災地でボランティア活動、「心のケア」にも努める

2011年3月11日、東日本大震災が発生。岩手県内陸部の北上市に住む復元納棺師の笹原さんは、仲間とボランティア組織を立ち上げ、3月20日から、甚大な被害を受けた県沿岸部の被災地に入り、納棺のボランティア活動を開始した。車中泊や片道約150キロの往復を繰り返しながら、陸前高田や大船渡など約7市町村を回った。活動は7月中には一段落したが、その間300人を超える遺体を見送った。

遺体は津波で大きな損傷を受けている。卓越した復元技術(死後の変化の処理)を持つ笹原さんは、傷を修復したうえで、遺族から生前の様子を聞きながら、肌、眉、まつ毛、髪と復元し、穏やかな笑顔にする。一人の復元に4〜5時間かかったこともある。「生前の眠ったような顔に戻ると、遺族の方はそこに本人がいるように語りかける」という。笹原さんは、復元した顔の様子と家族の言葉、自らの想いを自筆の画集に残しており、その枚数は100を超えた。

家族や友人を亡くした人に寄り添って悲しみを癒す「グリーフケア」も実践する笹原さんは、被災者の「心のケア」が非常に大事だと考えている。彼女の発案で、緩和ケア専門医と被災者がお茶を飲みながらおしゃべりをする交流の場「お茶っこの会」が昨秋から始まった。現在でも片道約2時間半の距離を毎日往復しながら、医師達と一緒に被災地を回っている。

受賞理由

遺族の思いに寄り添いながら、多くの残された人々の苦しみを救う

津波により大きな損傷を受けた遺体。遺族は突然家族を失い、またその変わり果てた姿に二度苦しむことになる。遺体を元の姿に戻し、穏やかな笑顔にする。遺族の思いに寄り添う笹原さんの活動は、多くの残された家族の苦しみを救い、次の一歩を歩み出すきっかけとなったであろう。今もなお、被災地で復興支援活動を続ける多くの方々の代表として表彰したい。

受賞コメント

シチズン賞に選んでいただいたことは、「死」という悲しみの部分に光を当てていただいたことだと思います。そして被災地と皆さんを今一度つなげていただきました。そのことに私は深く感謝申し上げます。復元・納棺ボランティアは、沢山の方に支えられました。助け合い、声をかけ合って、みんなの力がひとつになった大事な時間でした。これからも、形を変えながら、ボランティアを継続して行きます。多くの大切なものを奪った震災はまだまだ終わっていません。悲しみが心の御守りに変わるこれからを、焦らずに一歩ずつみんなで進んで行くことができますように。

受賞者の活動を紹介 ウェブマガジン受賞者へ贈る“書”
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