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竹内 龍幸さん
盲学校の生徒のために始めた書籍の点訳を半世紀以上続ける
竹内 龍幸さん

竹内 龍幸(たけうち たつゆき)さん/1928(昭和3)年生まれ。
静岡県浜松市在住。

  • 2011年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

「読書の楽しみを知ってもらいたい」と独学で4000点を超す書籍を点訳

竹内さんは、国語教師として1949(昭和24)年、浜松盲学校(現静岡県立浜松視覚特別支援学校)に赴任した。ところが、教科書以外に点字本がほとんどないことに驚く。当時は紙不足のため、採算の取れない点字本を手がける出版社はほとんどなかった。「それなら自分でやろう」と1年ほどかけて点字を覚え、最初に手掛けたのが石川啄木の歌集「一握の砂」、1954年のことだった。「点筆(てんぴつ)」と呼ばれる針のような道具で一つひとつ厚紙に突起を作っていく地道な作業で、放課後、生徒に製本を手伝ってもらいながら完成させた。

以来、点筆と点字タイプライターを使い、60年近くにわたって点訳した本は4000冊を超えた。手掛けた本は小説から歌集、医学事典、百科事典など多岐にわたり、マッサージや鍼灸の国家試験を目指す生徒のために10年以上かけた「医学大辞典」49巻をはじめ、「学習大百科事典」53巻、点訳本が135冊になった山岡荘八の「徳川家康」といった大作もある。一方、40歳頃から点訳指導にも力を入れ、近くの中学校、高校、大学などで出張指導を行い、有志の間で点訳サークルが次々と生まれた。

83歳の現在も、原本が100巻に及ぶ「日本古典文学大系」に挑戦しており、全体の3分の1を訳し終えた。気をつけていることは何より健康。日課のラジオ体操で体力を維持している。

受賞理由

毎日の点訳と後輩の指導に力を注ぎ息の長い活動を続ける

教え子に与える本作りがきっかけで始めた点訳を60年近くも続け、仕上げた本は4000冊以上。点訳を志す後輩の指導にも力を注ぎ、視覚障害者のために読書の楽しみを与えている。昔は熱中すると、一日中やっていたという点訳作業を今でも1日2時間程度続けている。パソコン点訳が主流の中で、息の長い活動を続けていることに感動を覚える。

受賞コメント

受賞のお知らせをいただき本当にびっくりしております。毎日コツコツと作業をおこなってきただけなのですが、その積み重ねをご評価いただいたのだと思います。当時、点字本があまりに少なかったことから始めたのですが、最初はなかなかうまくいかず苦労しました。ただ、仕上げるたびに生徒たちの喜ぶ顔を見るのがうれしかったです。私はこの仕事に誇りを持っております。健康が続く限り、これからも点訳を続けてまいります。

受賞者の活動を紹介 ウェブマガジン受賞者へ贈る“書”
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