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樋口 強さん
がんを乗り越え、自らの落語で同じ病の患者と家族を励まし続け10年
樋口 強さん

樋口 強(ひぐち つよし)さん/1952(昭和27)年生まれ。
千葉県在住。

  • 2010年度受賞
  • 社会貢献

受賞概要

がん患者と家族を招き、落語の独演会を毎年開催

大手繊維会社に勤務していた樋口さんに悪性度の高い肺小細胞がんが見つかったのは96年、43歳の時。医師から「3年後の生存率は5%、5年後の数字はなし」と言われた。難手術と計5回の抗がん剤治療の中で心の支えになったのは、学生時代から親しんだ落語のテープ。

術後5年の節目が過ぎたとき、樋口さんは妻・加代子さんの薦めもあって、落語の独演会を開く。「心に効く抗がん剤」を、支え励ましてくれた患者仲間やその家族、先生への恩返しに贈ろうというのが主旨。

以後、落語会は『いのちに感謝の独演会』として、無料でがん患者と家族だけを招いて年1回のペースで続けられ、昨年で10回目を迎えた。会場費から案内状や入場券の制作・発送まで樋口さん夫妻の持ち出しで、当日は患者仲間が手伝う。全国各地から観賞の申込みがあり、毎回キャンセル待ちが出る状況。樋口さんは“羽太楽家(はたらくや)はじ鶴(かく)”の高座名で、毎年新作の創作落語「命の落語−病院日記−」を演じる。「久しぶりに笑った」「今をしっかり生きようと思った」など、会場の仲間たちは来年もここで会おうと誓う。

受賞理由

自作の落語独演会で、生きる希望と勇気を与え続ける

悪性がんを乗り越えた体験をもとに、「笑いは最高の抗がん剤」と、がん患者と家族だけを招く落語の独演会を開き、自作の落語で励まし、希望と勇気を与え続けている。企画、会場の手配などすべて妻・加代子さんとの合作。しかも毎年、新作の創作落語を加える心配り。「生きていて良かった」など多くの反響があるのは、患者の思いを知り得た人のみにできることだろう。

受賞コメント

「笑いは最高の抗がん剤」、「生きてるだけで金メダル」、そして「来年もきっと会いましょう」。がんの仲間と家族だけが集う一年に一度の『いのちに感謝の独演会』の合言葉です。「“いのちの落語”を聞き始めたとたんに涙が出てきました。涙が止まったら笑顔になっていました。沖縄から来て良かった。来週からの治療を楽しみに受けます」。昨年、来場された方の言葉です。笑いと笑顔で、生きる希望と勇気を分かち合って10年が経ちました。この度のシチズン・オブ・ザ・イヤー受賞を誇りに、これからも生きる喜びやいのちの大切さを笑いに乗せて伝え続けてまいります。

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