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多以良 泉己さん
リハビリで始めたパン作りが「天使のパン」として多くの人に勇気を与えている
多以良 泉己さん

多以良 泉己(たいら みずき)さん/1975(昭和50)年生まれ。元競輪選手。
北鎌倉 天使のパン・ケーキ「Gateau d'ange (ガトーダンジュ)」のパン職人。

  • 2009年度受賞
  • 自己実現

受賞概要

リハビリのために始めたパン作りが、人々に勇気を与えるオーダーメイドのパン作りに

競輪選手で最上級の「S級」を目前にしていた多以良さんを落車事故が襲ったのは05年8月のレース中。生死の境から意識を取り戻したが、全身麻痺で言葉も話せなくなっていた。退院できたのはその年の暮れ。3月に結婚したばかりの妻・総子さんと力を合わせての懸命のリハビリで、歩行器を頼って歩けるまで奇跡的な回復を遂げた。

そんな折、指先と脳のリハビリに効果があるという医者の勧めもあって始めたのがパン作り。評判店のパンを食べ比べたり、いろいろな種類のパンを作るなど熱中する。総子さん向けだった多以良さんのパンが口コミで評判になり、ホームページで注文を受けるようになったのは08年の夏。誰言うとなく「天使のパン」と呼ばれるようになっていた。自然素材にこだわり、心を込めて作るパンは、一個一個が注文に沿ってのオーダーメイドで、朝4時に起きても1日に作れるのは3〜5個。注文メールには病気のことや家族への思いを書き込んでくる人も多く、「癒されました」「生きる勇気が湧いてきました」といった礼状も沢山寄せられている。現在約4,000人が順番待ち(2〜3年待ち)という。

受賞理由

競輪選手からパン職人への第2の人生。1日数個のパン作りに精魂を込める

働く場の確保に、いま社会の関心が集まっている。多以良さんはレース中の事故でプロ選手としての職を失い、リハビリで始めたパン作りという第2の人生に取り組んでいる。注文してくる人のニーズや想いに応えて焼くパンは「天使のパン」と呼ばれ、口コミで広がり、多くの人に愛され勇気を与えているという。本物のパワーであろう。こうした状況は、妻・総子さんの献身があってのことだが、どんなに注文がきても、1日数個を精魂込めてオーダーメイドで焼くというスタイルを変えないのが素晴らしい。

受賞コメント

リハビリで始めたパンが人に喜んでもらえ、たくさんのお手紙をいただきました。それが励みになって、また「おいしい」と言ってもらえるよう作ろうと思って、それが僕の薬になっています。

自分は、当たり前のようにやっていたから、それがこんなにみんなに知ってもらえるようになるなんて。受賞した事はまだ実感がないけれど、このまま手を抜かずに、前を向いて、ふたりで頑張っていきたいと思います。

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